Suicaの実現に一から取り組んで来られた、
現IT・Suica事業本部副本部長の椎橋さんの書かれた本です。
常々ライフスタイルを変えるサービスを作りたいと
思っているので、こういう本は気になるんですよねヽ(´ー`)ノ

なかなかICカードの良さを理解してもらえない中、
少しずつ役員や他部門を巻き込んで理解者を増やしていき、
幾多の問題にぶつかりながらも、
夢の実現に向けて長い間奮闘する姿には感動さえ覚えました。
意外だったのは、Suicaを実現するにあたって、
キセル乗車の防止が効果として大きいと思っていたのですが、
ビジネスモデルの構築にあたって、
効果の試算にはキセル対策は含まれていないということ。
どれぐらい減るかわからないので却下されたらしい。
へー。
結局は切符の紙代や印刷コストの削減などを始め、
もっとも大きな効果はメンテナンスコストの削減なんですよね。
でもやっぱり根底にはお客さまへのサービス向上があるんですけどね。
今まで1件ごとにシビアな現実判断で投資対効果が判断されていたが、
長いスパンで見たインフラ投資もあるのではないかという意識改革をも
JR東日本にもたらしたらしたと思うとも書かれていて、
それも非常に意味ある話だと感じました。
Suicaを世に送り出すまでの道程が非常に詳しく書かれていて
読んでいて一緒に開発している感覚になりました。
本はあっという間に読めてしまいますが、
本当は僕らが想像もできない長い時間をかけた苦労がつまっているので
簡単に共感するのも失礼な話なのかもしれないですけどね。
とにかく読んで良かった本でした。